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プライマー処理が必要なフッ素面接着
フッ素樹脂とは、分子中にフッ素原子を含む高分子で耐熱性、耐薬品性、電気的特性、非粘着性、自己潤滑性に優れるという特性が有ります。そのユニークな性質から撥水コートやフライパンの焦げ付き防止コーティング、最近では5Gや将来の6Gといった高周波回路用の基板材料としても期待されています。しかしながら、フッ素樹脂は化学的には不活性であるため、他の物質との接合が極めて困難です。
現在、この不活性で接着しづらいフッ素樹脂にはプライマーと呼ばれる接着コーティングを塗布するか、 特殊なプラズマ処理などを施した後でないと、接着面が活性化しないため満足な接着力を発揮することができません。
プライマー処理不要のフッ素樹脂用テープ
「フッ素樹脂向け両面テープ、FA/FBシリーズ」は、特殊な粘着剤を使用することで、従来不可能とされてきたフッ素樹脂へ良好に接着することができます。また、接合を良くするプライマー処理も不要となります。
フッ素樹脂だけでなく、金属やガラス、ポリプロピレンなどに対する粘着力も従来のテープに比べると高い性能を発揮し、難しいと言われていた数多くの素材を接合できる画期的なテープです。
今後、ますます増大する情報通信量を高速に処理するための高周波回路用の基板材料や、高機能化が進むスマートフォン内部での被覆部品やフィルターなどの接着をはじめ、フッ素樹脂を用いたパッキンなどが用いられている産業機器やメディカル用途など、様々な分野において抱える課題を解決することが出来る製品となります。
技術情報
技術概要
フッ素樹脂並びに接着し難いと言われる
ポリオレフィン樹脂にも強力に接着できます
ムール貝をヒントに化合物を開発
接着には加熱やプライマーなどの 特殊な処理は不要な、感圧式の粘着テープです
- 1.加熱不要
- 2.表面処理不要
化合物を添加する粘着剤の種類により、低誘電性など様々な機能も付与できます
化合物
粘着種類 | 基材 | 厚み |
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|
|
用途に応じた
対応が可能
対応が可能
技術詳細
180°Peel試験
保持力
誘電特性(10GHz)
特徴
接着性
ムール貝の分泌物であるポリフェノール成分を分子構造中に組み込んだ独自の化合物が、フッ素に粘着可能であることを見出しました。この技術を粘着剤に活用してテープ化することで、フッ素樹脂並びに接着し難いと言われるポリオレフィン樹脂にも強固に接着することが可能です。
プライマーレス
プライマーレスを可能とした当開発粘着テープを使用する事で、製造プロセス(プライマー塗布、乾燥工程など)を削減し、さらに安定した接着性の実現が可能です。
ムール貝をヒントに化合物を開発
性能比較
50μm厚みの当開発粘着テープと当社アクリル系粘着テープを用いて、各種被着体の180°剥離粘着力を測定しました。開発粘着テープは各種被着体に対して良好な接着性を示し、PTFE(フッ素樹脂)やポリオレフィン樹脂にも強固に接着することが可能です。特にフッ素樹脂に対しては、一般のアクリル系粘着テープよりも約10倍の粘着力を発現し、接着性を大幅に改善することに成功しています。