インモールド成型
-Challenge- ミラーの視認性と安全性の向上
通常ルームミラーには鏡やガラスが使用されていますが、仮に事故があった際には破片でけがをする危険性があります。また通常のミラーでは死角があり、見えない箇所が多くあります。それを防ぐためにミラーを追加してしまうと視界を遮るリスクがあります。
-Solution- 樹脂化による曲面対応と割れ防止
積水のインモールド成形では、事前にデザインや柄が印刷されたフィルム箔を用意し、射出成形の金型内に挟み込んで樹脂を流し込み、熱と圧力によって製品表面にフィルム箔のみを転写する成形法です。
ハードコート層付き高輝度・高反射率アルミ蒸着箔曲面部の伸び、割れを改善。
また、成形と同時に加飾ができるため、二次加工で加飾をする必要性が無くなり工程削減に伴うコストダウンが可能な工法になります。
-Technology- 技術情報
技術概要
汎用樹脂へのフィルムインモールド
射出成型
射出成形法(電動機)
金型内に転写フィルムを送り込み、型内に射出された樹脂に転写箔を 接着させ、
成形と同時に加飾を行う
製品形状に適した
フィルム選定
ハードコート層付高輝度高反射アルミ蒸着箔
曲率面の延伸クラック性を改良メッキ対比性能・価値の向上
向上性能・価値
- 高反射率
- 環境負荷低減
- 軽量化
- 延伸クラック(白化)防止製品/金型設計
多彩な用途展開
車両内装部品ほか
- カンバセーションミラー
- 視覚支援ミラー
- 内装オーナメント(加飾品として)
技術詳細
成型プロセス:
インモールド成型法
形状追従型設計技術
➀ フィルムを型内に供給
➁ フィルムを吸引
➂ 型閉じ
➃ 射出成型
➄ 成型品に転写箔接着完了し、取り出し
フィルム構成
金型構造(フィルム吸引)
フィルム構成適正化
フィルム構成適正化
高曲率製品の
延伸クラック性を改良
性能/効果比較:
樹脂ミラーでの比較
項 目 | メッキ | アルミ箔IMD | 性能評価/効果 | |
---|---|---|---|---|
値価 | コスト(償却込) | 10 | 9 | ワンプロセス化により約10%(推定)コスト低減 ※形状により低減率に差異発生 |
軽量化 | △ | ○ | 軽量化 約15% | |
反射率 | △ | ○ | 反射率 85%、クロム対比 20%改善 | |
環境負荷 | × | ○ | 6価クロムフリー | |
安全性 | △ | ○ | 金属層(メッキ)剥離なし | |
形状自由度(曲率) | ○ | △ | 視角支援ミラー程度の曲率・形状対応可能 |
- メリット
- ● 転写箔による自由なデザイン性付与
- ● 転写箔構成層に機能層の付与可能 (ハードコート、金属、耐食など)
- ● 加飾フィルムインサート成型と異なり、余剰フィルムのトリミング不要
- ● ワンプロセス化によるコストダウン