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ブースレス塗装とは?

~塗装技術でCO2削減に貢献~

自動車は、”外観のデザインをよくする”、”外部の環境や気象変動による劣化や腐食から保護する”、”摩耗や傷から守り、長期にわたり耐久性を維持する”、目的で塗装されています。車体の塗装が剥がれたり変色せず、長期間美しい外観を維持するためには、塗装技術が大きく影響します。

塗装ブースとは?

車体の塗装ブースとは、クルマを塗装するための専用スペースです。通常車体の塗装工程は、下処理、下塗り、中塗り、上塗りの4つのステップがありますが、どの工程においても、塗装を美しくきれいに仕上げるには、車体へのゴミや塵の付着は厳禁です。塗装ブース内は、埃や塵、ほかの物質が入り込まず、また、適切な温度や湿度などの環境条件を制御する上、排気機能も備わっており、品質を一貫して管理することができます。

青スプレーを吹き付けて車体を塗装する様子
車体を赤く塗装する様子

ブースレス塗装とは?

ブースレス塗装とは、Booth-less =ブースがない塗装のことで、スプレー塗装を行う温度・湿度が管理された空間、及び、スプレーミストを水で捕集する設備が必要ない塗装技術のことを意味します。塗料を吹き付けるのではなく、フィルムを介して車体に転写する技術により、従来の塗装ブースが不要となります。

塗装空間を小型化できることに加え、CO2排出量や水の使用量を抑えることができるため、環境負荷を低減することにも役立ちます。

より詳しい情報はこちら

当社の開発品である「塗料転写シート」は、フィルムを介して塗料を車体に転写する新しい塗装技術です。塗装ブースを必要としないため、CO2排出量の削減に貢献します。TOM成型やインサート成型に使用可能です。下記より詳しい資料をダウンロードしていただけます。未来につづく「クルマ」のために、環境へ配慮が期待できますので、ぜひチェックしてみてください。

よくあるご質問 (FAQ)

Q:自動車の外装スペックを満たしますか?
A:概ね満たします。
Q:乾燥条件を教えてください。
A:140℃18分です。低温乾燥タイプも開発中です。
Q:被着対象は何ですか?
A:電着・上塗り塗装、ABS、ガラスへの密着は確認しています。
Q:複雑形状にも追従可能ですか?
A:塗料層は未硬化で高い伸度を有しているため、熱成形により複雑形状にも追従可能です。
Q:補修は可能ですか?
A:従来と同様の、磨き・タッチアップ・スプレー再塗装が可能です。